新年の思うところ
2020年
あけましておめでとうございます。
例年より寒さ柔らかな京都です。
わたくしのここ最近は…といいますと
ご縁のある方々との新しい年の互いの門出をお祝いする中、
京都より7800㎞余り南に位置するシドニー周辺、またはビクトリア州で多発している山火事へと思いを寄せていました。広大な自然と野生動物たちへの被害、そして長きにわたる消火活動や救助に携わる方々、そしてその家族…
想像すると心が痛むのです。
遠くにいながらも何かできることはないかと調べている中で
ふと…目にしたものを今回手に取りました。
彼女たちの言葉に励まされ、
そこには久住にとってもカタチは違えど大事にしたいところは同じなことだと
身の引き締まる思いでした。
シドニー・オーストラリアのデザイナーが手掛けるブランケット。
メリノウールの切れ端をリサイクルし直し製品にしたもの。
また、このブランケットが不要になった場合には無料で回収し、ブランケットを作るのに再利用するという。。。
ゴミを増やすことにではなく、また使うものとしての今のブランケットを作っています。
消費社会な現代の課題でもある
「生産の在り方」
「消費の在り方」
わたくしも久住なりに思いながらお客様にもお届けしたいと思っております。
ただ作るわけではなく
使う方を想い、作られたものをお渡しする。
そして代々愛でられ人の手に行き渡るものへと。
京ころも久住の始まりはそこからでした。
現代の指先1つで買い物できるスピード感の中
わたくしどもは
お求めの方がいらっしゃるからこそ、その方々のお話を聞き、カタチにしてお届けする。
ある意味アナログな手法で、手間も、時間もかかるやり取りをしながら
その分蓄積された作り手のぬくもりのような温度感をも直接お届けするのを大切にしております。
誂えたお着物も大切に次の代へとお渡しするまでのメンテナンス、
また、先代より受け取った誂えものの誂え直しもご相談承っております。
人の心と、人の手で生み出された正しく丁寧にほどこされた美しい手仕事は
いつの時代でも人の心をうつものだと信じております。
国や、文化、生活、環境…様々な違いはあり
また表現するものは違えど
大切にしたいところは同じ。
そう思うと迷わず彼女たちのブランケットを手に取ってしまいました。
そこからの収益がオーストラリアの山火事への基金となると知り
今手にするブランケットが京都の寒さから温もりを与えてくれる他に
遠い国へのわたくしの想いをつないでくたようで嬉しいのです。
最後になりましたが、
ブランケットのデザイナー姉妹のお二人の言葉がわたくしはとても大好きなのです。
「どうやって商品が作られているのか、使われた後にどこへいくのかは、製品と同じぐらい重要です。」
久住に来られたお客様にも
手に取られるもののストーリーを楽しみながら過ごしていただける、そんなお店をと今年も考えております。
本年もよろしくお願いいたします。